上司に読んでおけと渡されたので、さっき読破した。
どんな本?
nanacoデビュー前までの最近の電子マネー状況について、一通りかかれている本です。
電子マネーに興味がある人は、ある程度知ってるような内容と、もう一歩踏み込んだぐらいの内容が書かれています。
逆に言えば、首都圏に住んでいる人は難なく読み進められていいのではないでしょうか。
地方在住者だと、あまり電子マネーとかまだ一般的ではないので、ピンとこない事が多いかもしれませんが。
自分も一週間前まで、suica使ったことなかったし。
仕組み的なところ
Felicaがsuicaに採用されたわけ
ICチップによる電子マネーは、チップ側に金額情報まで書き込まれている、というのは以前に聞いたことがあったんですが、これには決済までの時間が早いというメリットもあるわけなんですね。
ローソンではもっぱらクレジットカードで支払いするんですが、オンラインでいろいろ使えるかどうかを調べてうんぬんとかやってるからか、結構レジに時間がかかるんですよね。だいたい10秒ぐらい?
駅の改札でそんなにかかってたら大混雑しちゃうし、それでFelicaなわけなんですね。
オンラインじゃないという点で、安定した通信網が確保しづらいバスなんかにも使えるのも強みのようです。
余談だけと、これってチップに書き込まれている金額を書き換えできたら使い放題だよね。
暗号化にはトリプルDESをつかってるらしい。
暗号化はあんま詳しくないので、詳細はとりあえずパス。
年齢認証にも
たばこ自販機用のtaspoという電子マネーも計画されているらしい。
これのおもしろいなと思ったところは年齢認証も兼ねているところで、お金を入れれば誰にでも売ってしまう自販機と比較すると、だいぶしっかりシステムといえるのかも。
海外なんかでも受け入れられるかも。
電子マネー専用にすれば現金を自販機内に入れておかなくてもいいから、治安の関係で自販機をおけないという国でもおけるようになるかも。
特定の用途を意識したお金
地域マネーやエコマネーについても書かれていました。
例として、「小学生がお年寄りの話し相手となることでエコマネーをもらう」みたいなのが書かれていましたが、これって雇用の拡大で、何かを作り上げたりサービスする人が、現在の一般的な経済の仕組みに乗っからなくても(たとえば会社勤めしないといけないとか)収益を得ることができる、というのはなかなかおもしろいなと思いました。
ニートとか高齢者の働きたい人とかのための仕組みが作られるかもしれませんね。
新しい使い方を作り上げることができるお金
この本の中で引用されているミヒャエル・エンデという人の言葉がなかなか印象的でした。
パン屋でパンを買うお金と、株式取引などの資本としてのお金は違うもので、資本としてのお金は何かを犠牲にして成長している。
現在の貧困や環境の問題は、今のお金の仕組みに問題がある、
というような内容です。
犠牲というのは、安い賃金でこき使われている貧しい国の人だったり、ということが例としてあがっていて、これを変える新しいお金として、こういったポイントや電子マネーに期待している、というのが、この著者の言いたいことだったようです。
労働者回帰というか、働いている人にお金がいくような仕組みになるべきだ、というか、つまり今の世の中のお金の仕組みはゆがんでるよと。
また、筆者の方は実際にEcoCaプロジェクトというところで、新しいお金はこうあるべきというモノを定義しているようです。
- 誰でも使うことができ、老若男女に優しい
- 公共交通機関利用等のエコ行動を促進する
- 地域社会・地域経済に貢献する
- 利子を生むことがなく、お金の暴走を抑止する(http://ecoca.jp/)
企業主体で進んでいる今の電子マネーでは、そんなにうまくいくかなーとは思うのですが、実際に今受け入れられている電子マネーは、こういった条件をある程度含んでいるので、あながち的を射てるのかもしれないですね。
こんなところで
まとまりないですが、本を読んで思ったことを書き連ねてみました。
一通りの現在のポイントや電子マネーの説明から、未来に関しても言及してあって、なかなかおもしろかったです。
興味がある人は読んでみてはどうでしょうか。
アスキー (2007/03/12)
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お金のこれから…
親切な本
マリオの金貨、お通貨です。