最近、AI界隈ではMCP(Model Context Protocol)が結構話題になってます。
実際やってみて面白かったので、あんまり難しいことには触れずに紹介してみようかと思います。
これ何ができるかというとAIにアプリを操作させることができるようになります。
目次
実際に動かした様子
実際にMCP経由でアプリをAIに操作させている様子をYoutubeライブで配信してみました。
DaVinci Resolveという動画編集ソフトをAIに操作させている様子です。
AIに指定した名前のタイムラインを作成させる。
– YouTube Enjoy the videos and music you love, upload original content, www.youtube.com
DaVinci Resolveのページを切り替える。
– YouTube Enjoy the videos and music you love, upload original content, www.youtube.com
こういう単発の操作だと、いちいち文字打つより自分で操作したが早いわ!ってなるんだけど、いっぺんに指示を出して自動操縦させてみるとMCPでAIにアプリを自動操縦させるスゴさの片鱗が垣間見えると思います。
これなんかはそう。
動画観てらんないよという人の為に説明すると、タイムライン作って○○というクリップを追加して、映像を明るくしてみたいなことを指示すると、DaVinci Resolveのこの機能使えばいいのかなーとAIが自動で判断していろいろ試行錯誤しながら試してくれています。
今回は原因まで調べてないですが、うまくいかなくてAIが人間に助けを求めてきてますけどね(笑)
ざっくりした仕組みの説明
DaVinci ResolveにはAPIという外部からDaVinci Resolveを操作する機能があって、例えばタイムラインにクリップ追加したり、逆にタイムラインに追加されているのはどんなクリップかを確認したり、他にもいろんなことができる仕組みがあるんですね。
AIはこれらを使って、クリップ追加実行したり「ちゃんと上手く追加されたかな?見てみよう」みたいな感じで、アプリの状態をAPI経由で取得して結果を確認するという一連の動作を実行してくれてるんです。かしこいですね。
しかし実際は今のAIは直接DaVinci ResolveのAPIを呼び出す機能はありません。
そこでMCPサーバーの出番です。
DaVinci Resolve用のMCPサーバーを自分のPCで動かすと、それがDaVinci Resolveでこんな事が出来るよとAIに情報を提供して、AIはそれを元にアプリの使い方を理解し、人間とのチャットの中で必要に応じてMCPサーバーに指示を送って、MCPサーバーはAIからの指示を元にDaVinci ResolveのAPIを呼び出して、結果をAIに返している感じです。
夢が広がる技術
今回はDaVinci ResolveのMCPサーバー試しましたが、今わりと盛んにいろんなMCPサーバーが開発されていて、今後外部から操作できるアプリやWeb上のサービスはAIから利用されやすくなっていきそうです。
ObsidianというローカルでうごくメモツールもMCPサーバーがあって、自分のメモから特定の話題についてまとめて、それをまたObsidian上にメモとして追加させたりもできますし、DaVinci Resolve MCPと組み合わせて、動画プロジェクトの一覧を取得してObsidianのメモとして書き出させることもできます。
こんな感じ。


いろんな作業をAIにやらせるなんてことも、そのうちに出来そうな感じがします。
まだ一般の人が使うにはきびしい?
すごく夢のある技術だなと思うのですが、まだこの一般の人が使うにはきびしいものがあります。いくつか理由あげて行きます。
導入がたいへんなMCPサーバーがある
MCPサーバーの導入に専門知識が必要なケースが多いということですね。AIと繋げるアプリ毎にMCPサーバーがあるのですが、Obsidian MCPは割と簡単だけどDaVinci Resolve MCPは今の所かなり難しい。
チャット側はClaude Desktopぐらいしかない
今の所Claude Desktopのチャットからしか使えない。CursolとかDifyとかからも使えますけどSE以外の人には馴染みがない。Open AIもサポートしていくらしいので今後もっと使える環境は増えるでしょう。
Claude Desktop側の設定も難しい
Claude Desktop側も自分で設定しないといけないMCPサーバーもあります。たぶんこれも初心者には難しい。
セキュリティの懸念からへんなMCPサーバー入れると怖い
MCPサーバーはただのアプリなので基本なんでもできてしまいます。
例えば、「DaVinci Resolveを操作するMCPサーバーです!」と表向きはいいながら、裏でPCのファイルを外部に勝手に送りまくるなんてことも悪意をもって作ればできてしまいます。
とはいえ、自分のPCにインストールして使うアプリはどれも同じで入れてしまえば何でもされてしまうので、MCPサーバーだけ特段セキュリティ的な懸念があるかというとそうではないようには思うんですけど、入れる時には信頼できそうかとかは気にしたがよいよって話です。
使いどころはまだまだ模索が必要
AI自体が再現性が低いというか同じ指示しても結果が変わったりするので、例えばお仕事の定常業務をAIに自動でやらせるとかは、実はあんまり向いてない気がします。もっと探索的な試行錯誤が必要な事をオートでやらせるのがよさげですね。
AIにパソコンつかってもらう
プログラミングの世界ではバイブコーディングと言って、こんな感じで指示を出して自動でAIが試行錯誤してプログラムを書いてもらうのが普通に実用できるレベルになってきているのですが、プログラムに限らずパソコンを使う作業がAIで自動で行える世界が見えてきてますね。
「AIから簡単に扱えるソフトであること」みたいなのが選ばれるアプリケーションの条件に入ってきそうです。
参考にさせていただいたサイトなど最後に書いておきます。
Obsidian – Sharpen your thinking The free and flexible app for your private thoughts. obsidian.md
obsidian-mcp-toolsをためす(Windows) zenn.dev
それでは!