この本、すげーよ。
正直、今の手探り状態のままじゃマズすぎるということで土日に読んでみたが、この本は鋭い。 読めば読むほどに、やはり今までやってたことは本当の上流工程ではなくて、プログラマーの延長でしかなかったのだなぁと実感した。 極端な話、プロジェクトを成功させるためには、プログラマーの枠は捨ててしまえと言ってるように思えた。
割と陥りがちな罠とかも紹介してあって、「アンケートをとるな」とか、まさに、それ私やってましたよ。ええ、失敗でしたよ。
アンケートとかって一見、民主的で公平で素晴らしいような気がするのだけど、確かに本に書いてあるように部分最適化な意見が多くなりがち。 全体的に見て、つじつま合わなくなってしまってたり、今回のテーマは何なんだろう?としっくりこない感じがする。というか、実際そうだった。経営目標とかそんななのからもかけ離れていく。 これもうまいこと書いてあるなと思うのが、一言で「アンケートしてもまとまらないから、やるな」と言われてしまうと、俺みたいなまじめな人間は(笑)、それ手抜きだろとか、人の意見を聞かないってことかよ!なんて思ってしまうわけだが、「部分最適」な意見が集まるから駄目だと説明されると納得してしまう。
結局、自分で全体を見通して仮説を立てて、数人に玉砕覚悟で見てもらいブラッシュアップしていくのが良いらしい。 仮説を立てるにも立てられない場合は、情報収集する、と。
ちなみにアンケートで失敗は、今まで部分的な改修とかしかやったことのない初心者SEが陥りやすい罠らしい。 ほんと、まるっとお見通しだな(笑)
あと、ネガティブ思考で、「問題」ばかりあげていても先に進まないので、どうやったら目標に近づけるか、そのためにはどうすればいいかの「課題」をあげましょうというのも、なるほどなぁという感じでしたね。 たしかに、やりがちです。 問題ばかりあがってきて問題山積みで大変だね、で、先に進まん。思考もストップするし。 かといって、「そんなのどうでもいい問題だ!」とか言っちゃうとアレだろうから、目標を再確認して、どの課題の解決を優先するかということに考えをもっていくべきなのでしょうね。
そんなわけで、「はじめての」とかついてる割には、かなり生々しく、たぶん本当に「はじめて」の人には実感がわかないことが書いてあるような本ですが、読んでみるとかなり為になると思う。 読みやすくわかりやすくておもしろい。 作者の人はすべてにおいて仮説と検証を繰り返してるんだろうなぁ(笑) すばらしい洞察力ですわ。