細かいところでまだまだ使い勝手が悪いkoboですが、カスタムファームウェアを入れることでいろんな問題が解決します。
目次
カスタムファームウェアとは
カスタムファームウェアとは、koboの問題をいろいろ改善してくれる有志の方々が作られた非公式なプログラムみたいなものです。
カスタムファームウェアのReadme.txtを見ると、koboはLinux OSが動いていて、内部はいくつかのアプリに分かれているようで、そのうちのいくつかを差し替えて動作しているようです。
動作見てると何かのイベントが起きたらフックして独自の動作を実現しているみたいだけど、元々koboにはそういう仕組みが取り入れられているのかしら?
保証は無いよ
もちろんkoboの正式なプログラムではないので、最悪koboがまったく動作しなくなるぐらいのリスクはあるので、自己責任になります。
ファームウェアに同梱されているReadme.txtを見て作業するのが基本です。
追加機能を軽く紹介
Readme.txtに詳しい説明があるので、実際やるときはそこを見ていただきたいですが、どういうことができるか軽く紹介します。
自炊本を右スワイプでページめくりする
自分でスキャンした本はJPEGファイルをzipで固めて拡張子をcbzにしたファイルをkoboに入れると読めるのですが、ページめくりが右から左にスワイプしないとページめくりになりません。
日本の小説や漫画だと左から右にめくっていくので、結構気持ち悪いです。
しかし、カスタムファームを入れると自炊本でも左から右のスワイプで読み進めることができるようになります。
自炊本の本棚をMacから整理できる
koboは本を本棚に仕分けすることが出来ますが、kobo上でしかこの仕分けができません。koboの端末はそんなにタッチの感度が良くないので結構これは面倒です。
カスタムファームの自動本棚という機能を使うと著者名や出版社毎に自動で本棚を作ったり、フォルダの名前で本棚を作ってくれます。フォルダで管理するようにすればMacからも本棚の整理が出来ますね。
自炊本ではなくkoboから購入した本は任意のフォルダに分けることは出来ませんが、出版社や著者毎に自動で仕分けすることが出来ます。
SDカードに入れた日本語ファイル名の自炊本が文字化けしない
自分の場合、最初は文字化けしないので、本家ファームも修正されたのかと思ったら、本体の記憶領域に放り込んだときは大丈夫なんですが、SDカードの方に自炊本を入れると日本語ファイル名が化けるんですね。カスタムファームウェアではSDでも化けないようになります。
楽天の電子書籍リーダー Kobo Touch を自炊で使い倒す~そのに~: モバイル好きのダラダラブログ
まずはバックアップ
Readme.txt見るとバックアップを取るように書いてあるのですが、その方法がまずネットを探さないと見つからないんですよね(汗)
以下のページ参考にさせていただきました。
電子書籍リーダー「Kobo Touch」レビュー(3): ガジェット連絡帳(ちょっと療育)
さらっとまとめると、
- kobo gloをMacにつなげる(PCでも一緒のはず)
- デスクトップに「KOBOeReader」ドライブがマウントされる
- この中の「.kobo」の中にある「KoboRoot.tgz」、「manifest.md5sum」、「upgrade」フォルダが標準のファーム本体なので、どこかにバックアップする。
「.kobo」はMacでは隠しフォルダでそのままでは見えないのですが、Snow Leopard以降だとshift + command + 「.」キーで表示できるみたいです。
ありがとうございます!
慣れると割とインストールは簡単
冒頭にご紹介したページの「Kobo_CFW_Ver0.95.zip」をダウンロードして解凍すると出てくるKoboRoot.tgzを「.kobo」の下にコピーしてkoboをMacから取り外すと自動的にカスタムファームウェアのインストールが始まります。
追加機能を有効にする
でも、これだけではいくつかの機能が有効にならないようです。
設定は「.kobo」の下に「koboCFW.conf」ファイルを置くことで行います。
このファイルのひな形もzipの中にあります。
各設定の説明もReadme.txtに書いてあります。よくわからないのは触らない方が無難でしょう。
自分が設定したのは、
- データベースキャッシュサイズ
- DBCacheSize=”32767″
- 本が増えてくると動作が遅くなるらしいが、キャッシュを大きくすると改善されるらしい。自炊本をたくさん入れるつもりなので多めに。
- コンテンツ追加したときにkoboの自動再起動
- ContentScanedReboot=”ON”
- 自動本棚や自炊本を右スワイプでページめくりにしたり、ファイル名の[]で囲んだ所を著者名として表示する機能は本を追加して再起動しないと有効にならない。自動で再起動するようにした。
- 自炊本を格納する本棚の設定
- UserBookInsertShelf=”FOLDER”
- フォルダ名で自分で設定したかったから。作者名とかで自動で仕分けも可能
- 自動本棚に登録する本の検索先を設定
- CreateShelfDevice=”0″
- 本体とSDの両方を自動仕分け。自炊本はSDに入れる運用にしたかったから。”1″の本体のみ対象にするのが推奨らしいが、今のところ問題は起きていない
これでkoboがさらに使いやすくなります。
パスコードロック
カスタムファームですが、さきほど紹介したページのファームからさらに進化していて、パスコードでのロックもできるようになりました。
これはありがたい。だって、koboってパスワードなしにkobo端末から本を買えちゃいますからね。koboを落として好き勝手されたらたまりません。
こちらで新しいファームを紹介されていました。
kobo CFW 0.95 Plus公開|コンペブログ
こちらも基本通りReadme.txtを読みましょう。
Plusではアドオン形式というものに対応して、パスコードロックはアドオン形式で提供されているようです。
いったん0.95Plusフォルダの中のKoboRoot.tgzを.koboの下においてkoboを取り外し、ファームをアップデートした後、再度Macに接続して、今度はPasslockAddOnの下のKoboRoot.tgzを.koboに置いて取り外すと機能が導入できます。
設定などはさきほどのサイトに画面付きで詳しく記載されていました。ありがとうございます。
JPEG表示高速化
自炊本のJPEG表示を高速化するモジュールもあります。
koboに使われているARM9というCPUにはSIMDという仕組みが載っていて一回のCPU処理で複数の計算を同時に行うことが出来るとか。
ただ、kobo標準のビュワーだとSIMDを使っていないので、それを使うようにして高速化するらしいです。
こちらから落として、またやり方はいつもと同じですね。
まとめ
最近、技術からは遠ざかりつつあるのですが、Readme.txt見るといろいろ勉強になります。SIMDとか知りませんでしたもん。それに、なんというか有志の方々の情熱が伝わってきますね。
koboってイマイチなイメージしか無かったですけど、ちゃんと手をかけてやれば、いいものになるんですね。公式のファーム開発も頑張って欲しいところです。