動画を撮影してきて取込みするのってちょっとめんどくさくないですか?
特にDaVinci Resolveの標準の取込ツールは手数が多くてちょっと面倒です。今回はその手間を省くためにやってることご紹介します。
目次
先に結論
私はFreeFileSyncというオープンソースのWin/Mac両対応のツールを使ってBlackmagic Pocket Cinema Cameraで撮影した動画を日付毎のフォルダに取り込むという形に落ち着いています。
なんでこの結論に至ったのか背景などを説明していきますので、読んでいただいてご自分にも当てはまりそうだったら役に立つ可能性があると思うので、そのあとのやり方を見ていただければと。
今回Windowsでの手順をかいていきますが、Mac版もあるので工夫すればいけると思います(Macでの確認はできてません)。
DaVinci Resolveの取込ツールはちょっとめんどい
元々私はMacを使っていて動画はFinal Cut Pro X、写真はLightroomを使っていました。その後、諸事情でMacからWindowsに移行したタイミングで動画編集ソフトもDaVinci Resolveに移行しました。
FCPXやLightroomはアプリ内に簡単にSDやCFast、CFexpressを差し込んで「所定のルール」で取り込む機能が付属しています。
しかし、DaVinci Resolveの標準の動画データ取込ツール(クローンツール)はちょっとめんどくさいんです。
というのも取込元と取込先を毎回指定しないといけないし、取込先のフォルダも自分で作成しないといけません。柔軟と言えば柔軟ですが自分としてはある一定のルールで取込してくれればいいんです。
日付毎カメラ毎にフォルダわけて自動取込したい
自分がやりたいのはこんな感じです。
- 取込単位で
撮影日
と内容がわかる名前
のフォルダを一つ作る - その中に
カメラ
毎のフォルダを作成してその中に素材が入る
- これらを手間を掛けずにできる
これをFreeSyncFileでやってみます。
ただしぶっちゃけめんどくさい
以降やり方をかいていきますが、ぶっちゃけめんどくさいです😅
Windowsの場合はBunBackupでも同等の事ができそうですのでそっちの方が楽かもしれません(Macの場合はAutomaterで自作なのかなぁ)。
http://nagatsuki.la.coocan.jp/bunbackup/index.htm
免責事項
なるべく正しい情報を掲載することを心がけていきますが、自己責任でお願いします。
特に今回ファイルを扱う作業になるので間違えると大事なファイルを消しかねません。一度消えても問題が無いファイルで実験してください(もし、記載事項に間違いがあればTwitterアイコンからツイートでご指摘ください。可能な限り急ぎ記事修正します🙇)。
FreeSyncFileのインストール
ここから自分の使っているOSに合うものを選んでインストールです。
フリーで使えますが寄付版だと寄付して一定期間自動アップデート機能が使えたりパラレルコピーが使えたりします。正直手動アップデートでも全然問題ない感じではあります。
FreeFileSyncの設定
コピー元とコピー先の指定
FreeFileSyncを起動します。
新規
を押して右側のエリアにコピー元とコピー先を指定します。上の方にある参照の横のエリアにエクスプローラーからドロップしてもよいです。
私の場合、CFastリーダーがXドライブ等に割当たっているので、コピー元の左を X:\
にして、コピー先に E:\DaVinci Resolve Data\%Date%_ここに名前入れる\BMPCC\
を指定しています。
補足すると\
(バックスラッシュ)はWindowsでは半角の ¥
のことなので¥をいれてください。
%Date%
がポイントで、これにより自動で今日の日付がフォルダ名に入ります。FreeFileSyncではこれをマクロと呼んでいて他にもいくつか指定できる物があります。
日付の後のフォルダ名はコピー終わった後にエクスプローラーで自分で書き換えています。
ドライブレター(ドライブ文字)がちょいちょい変わってしまう(2023-01-22追記)
USBで接続する機器の場合、何の拍子にかわからないですけど、ドライブXだったものがいつのまにかドライブPになっていたりしてうまく動かなくなってしまう場合があります。この場合二つの解決策があります。
ボリューム名で指定する
ボリューム名というのはエクスプローラーでMとかHとかのドライブ文字の横に表示されている名前です。下の例ではドライブOのボリューム名は SUNEAST
となっています。
この場合、コピー元やコピー先の指定で O:\
の代わりに [SUNEAST]\
と書く事が出来ます。O:\DataFolder
は [SANEAST]:\DataFolder
と書く事が出来ます。
これならばドライブ文字が変わっても動かなくなりません。
ボリューム名も変わってしまう場合
ボリューム名はそのカードをフォーマットする機材が勝手に変更する場合もあります。私が使っているBMPCC4Kは A001
のようなボリューム名でフォーマットしますが、フォーマットする度に数字部分がカウントアップされて A002
、A003
のように変化していきます。
この場合はGUIDでの指定がよさそうです。GUIDはFreeFileSyncの画面で確認できます。以下はPドライブを選んだ後に右の下向き矢印を押したときの画像です。
リストの上から三番目に \\?\Volume
で始まる行がありますがこれがGUIDでのドライブ指定です。これを選ぶとドライブ文字が変わっても、ボリューム名が変わっても問題なく動きます。
参考 FreeFileSyncヘルプ Variable Drive Letters
https://freefilesync.org/manual.php?topic=variable-drive-letters
コピー動作の指定
歯車のアイコンを押して設定をします。
方法を選択:
で カスタム
を指定します。
赤枠のアイコン群で動作を指定していきます。
左から右に状況に応じた動作を指定する感じになります。
灰色のアイコンにカーソル合わせると説明出てきますが、
- 左側にしか存在しないファイルの場合
- 両方に同じ名前のファイルがあるけど左側のファイルが新しい場合
- 競合した場合
- 右側の方が新しい場合
- 右側にしか存在しないファイルの場合
それぞれの状況においてファイルをどうするか指定します。
今回のこの設定だと…
- コピー先(右側)のフォルダにファイルが無い場合はコピーする(右向き矢印に+のアイコン =
新しい項目を右にコピー
) - 同じ名前のファイルがあったら上書きする(右向き矢印のアイコン =
右の項目を更新
) - コピー先(右側)にしかないファイルがあっても特に何もしない(マイナスのアイコン =
何もしない
) - 競合してても何もしない(稲妻のアイコン =
未解決の競合はそのまま残す
)
という設定になっています。
バージョン管理の設定
ファイルの削除
の所で バージョン管理
というのを指定しています。
これはファイルの上書きや削除が行われた場合に、念のために上書する前のファイルを待避しておく設定です。
画像の設定だと `D:\DaVinci Resolve\9999_待避` というフォルダに日付が入ったフォルダを作ってコピーしています。
コピーが終わったらコピー先のフォルダを開く
コマンドを実行 : 完了時の動作
に explorer "E:\DaVinci Resolve Data\"
という文字を入れています。
これはエクスプローラーで E:\DaVinci Resolve Data\
のフォルダを開けと指定しています。
E:\DaVinci Resolve Data\
はファイルのコピー先のフォルダです。コピーが終わった後に自動でコピー先のフォルダが開くようにしているわけです。
コピーが終わった後にフォルダ名を書き換えるのでこうしています。
「最初から自分でフォルダを作ってコピーすればいい?」
いえいえ、とりあえず帰ってきてカードを差し込んだら時間のかかる取込処理か開始されるというのがいいんですよ。
テスト
比較
のボタンを押すと実際どのファイルがコピーされるのかが一覧で表示されます。 同期処理
を押すと実際にコピーが行われます。
これで正しく動作するか実験してください。
FreeFileSync設定を保存
うまくコピーできることが確認できたら ファイル
メニューの 一括ジョブで保存
で 設定を保存しておきます。ただの 保存
の方ではダメなので注意してください。
あとでこの設定ファイルは使うので場所は忘れないようにしましょう。
RealTimeSyncの設定
毎回FreeFileSyncで同期処理ボタンを押すのであれば、ここまでの作業でOKです。
ここからはカードを挿したときに自動でコピーが行う為の設定をしていきます。正直ここからがめんどくさいです…。
SDカードなどがカードリーダーに差し込まれたことを監視してコピーをはじめるには RealTimeSync
という FreeFileSyncに付属しているソフトで行います。
RealTimeSyncを起動します。
監視するフォルダ
にカードリーダーのドライブを指定します。BMPCCの場合はドライブ直下にファイルができるのでX:\
と指定していますが、他のカメラではX:\DCIM
などのフォルダの下に実際の素材データが入っているのではないでしょうか?
(2023-01-22追記 ここにも前項で書いたドライブの名前やGUIDでの指定が出来ます。RealTimeSyncではGUIDをリストから選ぶことができないのでFreeFileSyncで調べたGUIDをこちらに貼り付けましょう)- コマンドラインに FreeFileSyncのアプリの場所と前項で保存した設定ファイルの場所を指定します。こんな感じです。
"C:\Program Files\FreeFileSync\FreeFileSync.exe" "D:\Documents\FreeFileSync\BMPCCコピー.ffs_batch"
最初の "C:\Program Files\FreeFileSync\FreeFileSync.exe"
はFreeFileSyncのインストール場所によって変わります。
そして「半角スペースを入れて」設定ファイルの場所を指定しています。
自分は D:\Documents\FreeFileSync
フォルダに BMPCCコピー.ffs_batch
という名前で設定を保存したので、 "D:\Documents\FreeFileSync\BMPCCコピー.ffs_batch"
を入れています。
それぞれのファイルまでの場所をダブルクォーテーションで囲むのも忘れないようにしてください。
一番下の 開始
ボタンを押すとタスクトレイに RealTimeSync が常駐して 監視するフォルダ
に指定した場所に変化が起きると(今回はカードをリーダーに挿したら)、コピーが開始されるようになります。
タスクトレイのアイコンを右クリックして 構成設定
を選ぶとまたRealTimeSyncの画面を表示できます。
うまく自動でコピーが行われたら ファイル
から 別名保存
を選んでRealTimeSyncの設定を保存しておきましょう。
注意点ですがRealTimeSyncの画面を右上の×印を押して閉じると常駐してくれません。引き続き常駐させたい場合は 開始
ボタンを押して閉じてください。
ああーややこしいですね。
スタートアップにショートカット追加
このままだとPCを再起動する度にRealTimeSyncを手動で輝度しないといけません。自動でRealTimeSyncが起動するようにします。
以下の公式ページをGoogle翻訳してみてもらうと良いと思いますが、一応ここでも解説しておきます。
Windowsキー + R
でファイル名を指定して実行
を表示shell:startup
と入力してEnterしてスタートアップフォルダをエクスプローラーで開く- エクスプローラーの空いているところで右クリックして
新規作成
>ショートカット
項目の場所を入力してください
の欄にRealTimeSyncのアプリの場所とRealTimeSyncの設定ファイルの場所を指定する
"C:\Program Files\FreeFileSync\RealTimeSync.exe" "D:\Documents\FreeFileSync\CFast挿入監視.ffs_real"
こんな感じ。これもRealTimeSync.exeの場所と設定ファイルの場所の間に半角スペースが必要。
これで再起動時にもRealTimeSyncが自動起動して常駐するはずです。
複数のリーダーがある場合
さて、使っているカードリーダーが複数あったり一つのカードリーダーでもCFExpressとSDの二つの口があったりする場合もあるでしょう。そして、それぞれコピー先のフォルダを変えたいという場合があるでしょう。
その場合は、それぞれのリーダー毎に今までやってきたFreeFileSyncの設定とRealTimeSyncの設定とスタートアップフォルダのショートカットを複数作るしかありません。
私はBMPCC4KとInsta360とPortacapture X8と…という感じで複数設定して4つRealTimeSyncが常駐しています…。微妙ですね…。
やっとおわり 他のソフトの方が楽かもだけど
はい、やっとこれでカードを挿したら自動で取込できるようになりました。いや、ほんとめんどくさいですね。一度設定をすれば特に手を煩わせることなく動くのでよいのですが、リーダーを変えたりしたときはめんどくさいと思いつつ設定しています。
冒頭付近にも書きましたがWindowsの場合はBunBackupでも同じようなことができそうです。実運用までは至りませんでしたがテスト的なつかってみたこともあり行けそうだなという所までは確認しました。複数のリーダーを読み込む場合も、RealTimeSyncみたいに複数起動しておかなくても良さそうですし、削除はWindowsのゴミ箱への移動になるのも独自ルールじゃ無くてわかりやすい。
それでもFreeFileSyncを選んだのはオープンソースで活発にバージョンアップしているからです。
Windowsには定番と言える優秀なフリーソフトが多数あるのですが個人で作られている物はバージョンアップのスピード感とか進化は限界があると思っています。BunBackupは作者の方がかなり頑張ってメンテナンスされている感じがするので正直当てはまらない感じはしているのですが、オープンソースの方を選んでしまいました。
最新の11.20にはバグあり?
今回、たまたまアップデートの通知が来ていたのでバージョン11.20にアップしたらRealTimeSyncが動かなくなりました😭
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RealTimeSync – エラー
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Configuration file "C:\Users\tak\AppData\Roaming\FreeFileSync\GlobalSettings.xml" is incomplete. The missing elements will be set to their default values.
The following XML elements could not be read:
<FreeFileSync> <Language> @Code
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OK
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今までこういう事故は起きてなかったので信頼してましたが、こんなこともあるんですね😅
バージョンアップが活発なのはいいけどバグは困りますね。
一つ前の11.19にしたらちゃんと動きました。今から入れる方はご注意ください。