DaVinci Resolve Studio 18.6で5.1チャンネルサラウンドの動画を作ってYoutubeにアップして再生する事が出来たので手順など紹介してみたいと思います。
目次
前置き
とりあえずこれで自分は出来たぞという手順を書いていきます。毎度の事ながらしっかり内容を理解して出来ていると言うよりは、いろいろガチャガチャ試したらなんか出来たというレベル感なので、そこはご了承ください。
まずはどうなってもよいプロジェクトや環境で試してみるのがよいと思います。
今後も手順は改善してこの記事を修正していくと思います。
環境
OSはWindows 11、Davinci Resolveは18.6です。Windows PCに挿しているNvidia RTX3060のHDMIポートからテレビTCL 65C745のHDMI3(4K 60Hz)に繋げています。さらにテレビのeARCに対応したHDMIポートからAVアンプ DENON AVR-1700Hに音声を送って5.1chサラウンドを再生する流れです。
関係ない配線もたくさん書かれていますが、図にするとこんな感じ。
AVR-H1700HにはフロントL、フロントR、フロントセンター、サブウーファー、リアL、リアR、あと今回は使わないですけど高さ方向の音を表現するためのDolby Atmos イネーブルドスピーカーをL/R二つ接続しています。
Davinci Resolveの環境設定
まずはDavinci Resolveの環境設定をやります。メニューから DaVinci Resolve
> 環境設定
> ビデオ&オーディオ入出力
と辿っていきます。
その中の オーディオ入出力
のところで 出力デバイス
に5.1chサラウンドを出力したい先を選びます。自分はTCLのテレビを選択しています。Use System Setting
にしてWidows側で出力先を変更してもよいです…というかその方が多分楽です。この後に説明するスピーカーの割り当ても自動でされてるみたいだし、DaVinci Resolveから音が鳴らないときに、Windowsの他のアプリでは鳴るか確認して問題の切り分けも出来るので。
私の環境では 自動スピーカーコンフィギュレーション
にチェック入れた状態だとステレオでしか認識してくれなかったので、チェックを外してその下の モニタースピーカーコンフィギュレーション
を手動で設定しました。
モニターセット
は メイン
になってると思いますので、私は 設定 5
をサラウンド用に設定することにしました。名前はわかりやすいように5.1ch
としました。
フォーマット
を 5.1
にします。するとその下のリストにレイアウトに対応したアンプの入力チャンネル(?)を選ぶ画面が表示されます。
うちの場合は8つのスピーカーが接続されているので 出力
には8つ候補が出てきました。おそらくですが、普通は上から順番1,2,3…と割り当てていけばよいと思います。
- フロントL
- フロントR
- フロントセンター
- サブウーファー
- サラウンドL
- サラウンドR
7と8はDolby Atmos イネーブルドスピーカーなので割り当てしてません。
Fairlightの設定
次に何か新規にプロジェクト作るなり、既存のプロジェクト開きFairlightページに行きます。何かタイムラインにクリップ突っ込んでおいた方が確認しやすいと思います。
メニューの Fairlight
> バスのフォーマット
をたどり Bus 1
のフォーマット
を 5.1
にしてOKで閉じます。
Fairlightの画面の右上あたりに Bus1 --> xxxx
という表示があると思います。この xxxx
が最初に環境設定で指定した名前になっているか確認します。なってなければリストから選び直します。
メニューのFairlight
> 入力/出力のパッチ
を選びます。
このあたりちょっと正しいか怪しいです。ここら辺調べたら追記します。
ソース
の Monitor Out
と 送信先
の Audio Outputs
を見ます。 6チャンネル分表示されていて、こんな風に二行目に紐付く先の名前が出ていればよいはず。
紐付けを変更する場合は、ソースの並んでいる所をクリック、またはドラッグして、送信先も同様に選んで右下の 解除
やら パッチ
というボタンを押します。
タイムラインに音を入れてみる
何かタイムラインを作って音を入れてみてください。私はArtlistでいくつか効果音をダウンロードして入れてみました。
Artlistは動画作成者向けのサブスクです。気になる方はこちらの招待リンクから入ってもらえると私も無償期間をもらえるので嬉しいです(笑)
https://artlist.io/referral/2580653/A-tak
Fairlightでトラックを追加してダウンロードしたAACファイルをいくつかドロップしました。
適当なんですけどA5トラックは前方から聞こえる風の音(cloudと名前つけてます)、A6トラックは後から聞こえる風の音(cloud surr)にしてみました。これらは2chステレオのトラックにしました。
あと二つのトラックに配置したのは同じ音源なんですが、前後からまったく同じ音が聞こえてるのも妙なのでクリップをだいぶスリップさせて前後バラバラの音が鳴るようにしました。
そしてミキサー
からパン
を指定します。
真ん中あたりにパンというのが並んでます。水色の点を動かして音の位置を指定出来ます。上の方にすると正面から、下の方に動かすと後から音が鳴ります。A6トラックは下の方に動かして後から音が出るようにしています。
ダブルクリックすると細かい設定が出来ます。
右のエリアはミキサーと同じですね。ちなみに前後だけではなく当然左右にも水色の点は動かせます。今回はArtlistから落とした風の音の素材がステレオ録音された物だったので、左右には振らずに前後にだけ動かしました。
今回はつかってないですけど、回転は音源の位置を中心を起点にぐるっと回してくれるものですね。音が自分の周りをぐるぐる回るような表現の時は使えそうです。
スプレッド
や ダイバージェンス
は音の広がりを調整してくれそうな感じですが、ぶっちゃけ変えて聞き比べても効果がよくわかりませんでした(汗)。使い方がわかってないだけだと思います。
あとBGMは前方よりも少し手前の内側の四角の枠内に配置しました。なんかその方が後のスピーカーからも音が聞こえて音に包まれる感覚があったからです。
オートメーションで音を動かす
今回の動画では鳥の羽音が右後ろから左前に横切るように移動する音を入れてみました。これはオートメーションという機能で作っています。この機能は時系列でパラメーターを動かしていく機能でさっきの例だとパンを時間が経つ毎に右後ろから左前に動かしていってます。
この機能、結構難しくて説明するのも大変なので省略しますが、ざっくりいうとオートメーションのアイコン押して記録状態にして再生しながらパンを動かすとそれが記録されます。
ただ結構反射神経が要求されるので(笑)、動かすパラメーターを左のトラックのドロップダウンから選んで鉛筆アイコンおしてカーブを書いた方が良いと思います。
これはパンから前後のパンを鉛筆で書いたところですね。L/R Pan
に切り替えて同様に左右のパンも設定すれば右後ろから左前に音が飛んでいくような表現が出来ます。
触ってると一度カーブを描いた物をどうやって修正するんだとかいろいろ疑問が出てくると思いますが、DaVinci Resolveのマニュアル見ながらいろいろ試してみてください(笑)
私も完全に理解していないのですが、左上にあたりにある記録とか修正のボタンのあたり(オートメーションコントロールスというらしい)が関係してきます。
デリバー
デリバーは特に何もすることはないと思います。オーディオ
タブの中のコーデック
が AAC
で、出力トラック
がちゃんと5.1になってるかなぐらいみればよいと思います。
Youtubeにアップ
Youtubeへは普通にアップロードすればOKです。
HDR動画と同じで一定時間後にサラウンドで再生出来るようになるかも。自分の環境が不安定なのかアンプの電源入れ直したりしてサラウンド認識したり、しなかったりする場合もあるので勘違いかもしれませんが…。
Youtubeアプリで統計情報を見て Codecs
の最後に ec-3
と出ていればOK。
そもそも5.1ch再生出来ない機器、環境だとopus
とかになっています。
あと、動画毎の設定メニューの中にも「5.1チャンネル」のチェックボックスが出てくるので、それで判別もできます。
自分が試した限りではTCL 65C745のYoutubeアプリはサラウンドOK。PS5も本体の設定で5.1chの指定をすればちゃんとサラウンド再生されました。PCのEdge、ChromeでYoutube再生しましたが、こちらはダメでした。Pixel 7 ProにPixel Buds Pro繋げてみましたが、こちらも同じくダメです。
作る方もだけどどっちかというと再生環境の方が手こずるかもしれない…。それって人に見てもらうコンテンツとしてどうなの?という気はするが。
サラウンド映像作るの楽しい!
こんな感じでやればYoutubeの5.1chサラウンド動画をアップできると思います。たぶん…。
あらためてですが今回、私が作ったサラウンド映像がこちらです。
ドローン手形というサービスを使って阿蘇の絶景スポットを撮影してきたのですが、あいにくの曇空でなかなかダークな仕上がりになりました(晴れたときにまた行きたい!)。
おかげで普段使わないような重厚なBGMを使い、ついでにもっと映画風にしてしまえ!ということで5.1chの動画を作るきっかけになったので、まあよかったですね。
冒頭のドローンが飛び立つ部分は前後に草が風で揺れる音をArtlistからダウンロードして配置し、ドローンの音も後付けでつけたSEです。ドローンの映る位置によって微妙に音の場所を変えてます。
中盤のドローンタイムラプスでは「どーん」という映画でよく使われている低音のSE、俯瞰映像では鳥の飛び立つ音を入れて、あとは曲が展開する部分でもちょっと違った「どーん」という音を裏で入れてみました。最後のシーンもまた別の風の音を入れてます。
こういう効果音を入れる度にどんどん「映画っぽく」なっていくので、作ってる時めちゃくちゃ楽しかったです。これはやったことない人にお勧めしたい(笑)
こういう効果音はネットでフリーで転がってるのもあるとは思うけども、Artlistは膨大な効果音があるので、サブスクでお金は掛かってしまうけど映像作り楽しみたい人にはお勧めしたい。全然クオリティが変わってくるので。
https://artlist.io/referral/2580653/A-tak
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